最高裁判所第三小法廷 昭和25年(れ)900号 判決
判決理由〔抄録〕
原審は、その判決に挙示する証拠によって、本件衝突の現場が島原市中通町の鉄道踏切であって「同所附近は道路の両側に商店、事務所等が櫛比していて左右の見透しが利かず、同踏切に遮断機の設備はあるが同時刻頃は既に踏切看守の勤務時間外のこととて遮断機は開放されたままになっており、他に自動信号器等の備えつけもなく、汽車の進行接近状況を確認するためには、一旦バスを停止させ運転手自身若しくは同乗の車掌においてバスを降りて踏切の安全を確認する以外に、踏切通過の安全を確認する方法がない場所である」事実を認定した上、かかる状況においては、自動車運転手たるものは踏切を通過する前よろしくバスを停車して右のような措置をとり安全であることを確認した上進行すべき業務上の注意義務があることを説示しているのであって、以上のような認定事実の下に原判示のような注意義務のあることはもとより当然であるから、原判決には所論のような違法はない。論旨に主張するところは、すべて原審の認定しない事実を論拠として被告人に注意義務の違反がなかったことを推断するのであるから採用することができない。